【札幌オリンピック招致】賛成派が減り反対派が増えた理由、五輪の魅力とはいったい

4年に一度開かれるオリンピック。

開催場所は国際オリンピック委員会によって、厳正な審査の末決定されます。

北海道の札幌市は、2026年か2030年の冬のオリンピック開催に立候補する予定を立てています。

2018年冬の平昌オリンピックでは、2020年夏の東京オリンピックを紹介する施設が建設されました。

そこには札幌を紹介するブースが設置され、秋元市長みずからアピールの為現地に赴きました。

札幌を紹介する秋元市長

しかし今、オリンピック招致に対して北海道民の考えに変化が起きています。

どんな変化が起こっていて、どんな理由によるものなのでしょうか。



オリンピック招致には住民の理解が不可欠

世界中の注目を集めるオリンピック。

選手、スタッフ、応援団、観光客など多くの外国人が訪れます。

競技施設・宿泊施設の建設、交通機関の整備など、受け入れ準備には多くの時間と費用がかかります。

そのため、地域の住民の理解と協力が必要不可欠です。

東京オリンピックが決まった後には、毎日のように費用分担問題について報道されていました。

税金で賄うとはいえ、国・都道府県・市町村と負担する自治体は細かく分けられ、各地域に回すお金を減らす必要が出てきます。

道民の気持ちに変化が・・・

2018年4月に世論調査が行われました。

その中で、札幌オリンピック開催について意識調査が行われました。


画像参照元

2014年から見ると賛成派が減り、反対派が増えてきています。

また賛成派の中でも、2026年よりも2030年の誘致がいいと考える割合が増えてきています。

2018/5/30追記 招致時期が2030年に決定されました。

「今すぐオリンピックに向けてアピールすべき」と考える層が減っているのが実情です。

どういった要因があるのでしょうか。

アジア圏でのオリンピックが続いている

近年のオリンピック開催国を夏冬合わせて並べると

  • 2016年夏 リオデジャネイロ(ブラジル)
  • 2018年冬 平昌(韓国)
  • 2020年夏 東京(日本)
  • 2022年冬 北京(中国)
  • 2024年夏 パリ(フランス)
  • 2026年冬 ?

アジア圏でのオリンピックが続いていることが分かります。

もし2026年冬のオリンピックが札幌(日本)で開催されると、冬季に限れば3回連続、夏冬を合わせると5回中4回がアジア圏ということに。

ちょっと偏りすぎのような・・・

費用面での見通しに不安

多額の費用がかかる招致合戦。

アジア圏での開催が続く逆境を、跳ね返すアピールが求められます。

開催国は2026年大会は2020年に、2030年大会は2024年に決定します。

逆算すると2026年大会は2年後には決定します。

それまでに開催に向けた計画を作らなければなりません。

北海道が抱える経済的不安要素

現在北海道は人口が札幌などの都市部に集中し、地方の過疎化が急速に進んでいます。

その影響は各方面に出ており、特にJRは赤字路線がどんどん廃線に追い込まれています。

地方都市の活性化に向けた取り組みが行われるなど対策していますが、効果が表れているとは言い難い状況です。

産業においても過疎化にともなう農業や畜産業の担い手の減少、気候の変化による収穫の減少といった問題も抱えており、一極集中に拍車をかけています。

一方で観光業は、国内外からの観光客が増え好調を維持しています。

しかしそれも、限られた地域での話であり、将来的な展望という意味では決して楽観視できる状態とは言えません。

オリンピック開催による負の遺産

近年のオリンピックは興業化が進み、瞬間的な盛り上がりで終わってしまう問題があります。

開催時期の前後は莫大な経済効果を見込めます。

しかし終了後は

  • 開催施設が負の遺産となってしまう
  • 元開催地として継続して地域の発展につながっていない

といった状況が見受けられ、果たしてお金をかけて開催する意義があるのかという疑問がぬぐえなくなっています。

札幌が掲げる招致のコンセプト

冬季オリンピック・パラリンピック開催概要計画案

札幌市は招致参加を表明するにあたり、計画案を発表しています。

その中で次のようなことを主軸としてアピールしています。

  • ウィンタースポーツ都市さっぽろを目指す
  • 雪を楽しむ街として再開発を進め、持続可能な都市づくりを目指す
  • パラリンピックを通じて人にやさしい街づくりを目指す
  • 老朽化しつつある現存施設を活用し、ローコストでの大会準備を進める
  • 200万都市ながら、自然と一体となって生活できる環境を活かす

北海道が抱える問題、近代オリンピックが抱える問題を直視し、未来につながる形で開催することを目指すという内容です。

コンセプトとしては非常に魅力的ですし、すべて実現すれば明るい未来が待っていそうな内容です。

あとはこれをいかに現実的に、かつ住民が納得できる形にするかです。

明るい材料

札幌は40年前にアジアで初めて冬季オリンピックを開催した都市です。

時代が違うとはいえ、開催した実績があるということは大きな強みですし、主流になりつつあるコンパクトなオリンピック開催も決して実現不可能ではありません。

スキー場は札幌中心部から車で1時間で行ける場所にありますし、札幌ドーム含めスポーツイベント施設も複数あります。

また、雪の影響を受けない地下鉄の整備も終わっていますし、2030年に間に合うか未定ですが新幹線も来ます。

観光客を迎え入れる宿泊施設も充実しています。

住民と一体となれるか

あとはどれだけ住民の理解を得て、一体となってオリンピックづくりに取り組めるかというところです。

賛成派減少の理由の1つと言われる日本ハムファイターズの本拠地移転で、スポーツ施設の闇のようなところを垣間見てしまった今は、状況は不利のように思います。

これから招致に向けて求められるのは、「明確であること」と「経済的期待値が高いこと」だと思います。

特に明確さについては、良いことだけを前面に出すのではなく、こんな悪いことがあるけれどこうやって対策すると、理解を得る姿勢を示してほしいと思います。

理想を追いながらも現実にも目を向け、みんなが納得し期待のもてるオリンピック作りを提唱してほしいと思います。