こんにちは、トカチです。
少子化とともに塾業界の生徒争奪戦は激しくなる一方です。それと共に授業料も上がってきています。特に個別指導塾は月謝が高いというのは紛れもない事実です。集団指導塾に比べると、最大で2倍違うところもあるぐらいです。
僕の教室があったエリアでは、近所の集団指導塾より4割増しの月謝でした。それでも個別指導塾を選んで通ってくれる生徒さんは多かったです。
理由は様々ありますが、一番大きいのは個別指導の方が待遇が断然イイことです。「4割増しの月謝」と「指導の待遇」を天秤にかけた時のコストパフォーマンスに納得してくれていました。しかしそのバランスは、段々と崩れてくる場合があります。
今回はそんな月謝の高い個別指導塾の見切りの付け方、辞め時についてです。
目次
個別指導塾の月謝が高い理由

個別指導塾の月謝が高い理由は主に3つです。
- 人件費
- 1人1人への待遇
- パーソナルスペースが広い

個別指導塾の月謝が高い理由① 人件費
- 集団指導塾で20人~100人(もっと多いところも)
- 個別指導で2人~5人

個別指導塾の月謝が高い理由② 1人1人への待遇
個別指導塾は基本的に、生徒1人1人に対して個別の学習カリキュラムを作成して指導を進めていきます。苦手な科目・苦手な単元を重点的に学習する生徒もいれば、得意科目を強化して得点源にすることを目指す生徒もいます。
生徒一人一人の希望に合わせて学習内容を調整し、それに応じて授業の内容や成果(テスト)の確認も行っていきます。極端な例だと「数学以外は自分で頑張るから数学だけ指導してほしい」のようなことです。他の科目はテスト前にちょっと対策授業をするだけ。
それで成果が出ればこの生徒にとっては、個別指導を最大限活かせているということになりますね。
個別指導塾の月謝が高い理由③ 生徒のパーソナルスペースが広い
個別指導塾は生徒1人あたりのスペースを、集団指導塾の1.5倍ぐらい取ります。教室の広さが同じでも、一度に受け入れられる生徒の数が個別指導塾の方が少ないんですよね。
自習スペース
本来であれば、少ないコスト(人件費)で効率よく(同時にたくさんの生徒に)というのが企業として目指すべき形です。個別指導はその逆を行きます。成果を出すために、最大限よい環境を提供することに重点を置いています。
「授業料が高い」と感じた時が辞め時といえる理由
「授業料が高い」と感じるのは裏返すと「金額に見合った成果が見えない」ということですね。
学習塾で成果が見えていない状況とは
- 成績の変化がないor落ちている
- やる気がなくなっている
- 塾で何をやっているか聞いても答えられない
「そんなことあるの?!」と思われるかもしれませんが、塾を辞めたいと申し出てくる親御さんから出てくる理由はほぼこの3つに集約されます。
さらに「子供の様子を見て何かしてくれることを期待していた」という一定期間の我慢を経て辞めたいと言ってきます。この我慢の期間が非常に勿体ないのです。
もう一度言います。
我慢するぐらいだったら塾にクレームつける相談するか辞めるかの決断をしましょう。
留意してもらう説得の末によく言われたのが「次のテストまでは様子みます」です。この「次のテストまで」ってのが実は長いんですよね。テストの間隔って長いと3か月くらいあります。間には夏休み冬休みのような長期休暇が挟まります。本来なら集中的に勉強に取り組むべき時期なのに、「様子見」に使っている場合ではありません。
続けるなら塾と家と生徒で約束事をつくるべき

塾だけで勉強していれば成績が上がるわけではありません。本来は家での勉強をやりやすくするための「やる気スイッチ」を押してもらうために行くところです。週に2~3度、たった1~2時間だけの勉強で成績はあがりませんからね。
わかってはいても、怒りの矛先は塾に向いてしまうのは仕方ありません。金払ってるんですからね。辞める前提でかまわないので「約束事」を作って圧力をかけないとズルズル時間とお金だけが浪費されてしまいます。
辞める前提の約束事の例
- 次のテストで点数落ちたら塾辞める
- 宿題できなかったら塾辞める
という感じですかね。一見生徒との約束事ですが、塾側へのプレッシャーにもなります。
実際僕も誓約書を書かされたことあります。「次のテストで必ず点数を上げさせます」って。なんとか上がりましたけど、とんでもない事させられたと未だに冷や汗かきます。
親は納得いっていないけど、生徒が通いたがっている状況の時には効果的ですね。
それでもだめだったら早めに方針転換を
どうやっても成績やモチベーションに結びつかない時は、解放してあげるしかありません。やる気がない生徒をお札でシバくような真似をしても意味がありませんからね。
もう時効なので書きますが、僕の教室に通っていた生徒がモチベーション低下のため辞めることになり、今後どうしたらいいかと母親から相談されました。本来会社の人間ですから「少し休んでまたうちの塾に戻ってくればいい」というような内容を伝えるべきところです。
ですが「合わない環境に戻すリスク」よりも「新しい環境を試す」ことを優先してもらいました。他の塾・家庭教師・オンラインスクール・市販の参考書、あらゆる方法を提案しサヨナラしました。結果的には家庭教師に頼み、無事進学することが出来ました。
「個別指導」にこだわるなら鞍替えもアリ
個別指導塾Aから個別指導塾Bへの移動ですね。基本的な学習の進め方は変えず環境に変化を与える方法です。料金に大きな変化はありませんが成果に変化が起こればチャンスですね。塾の先生とのちょっとしたマッチング次第では、突然目の色を変えて頑張る子も少なくありません。
先生が同じ部活をやっていたとか、同じアイドルが好きだとか、勉強以外のところからモチベーション爆上げにつながる事例は数多く見てきました。お気に入りの先生が出来てしまうと、塾側には苦労を掛ける(シフトなど)場面も出てきてしまいますが、そこは「高い月謝払ってるんじゃい」が通用する世界です。
塾側が許容してくれる範囲で、特別扱いしてもらうのも悪くありません。周りに迷惑が掛からない範囲なら、ある程度やってくれますよ。


さいごに
学習塾業界で個別指導はもはや基本的なスタイルになりつつあります。一部ではカリスマ講師が集団指導を行う塾もあります。それでモチベーションを保てる生徒はいいのですが、みんながみんなそうではありません。
自分の得意・不得意を把握し、学習のペースを乱すことなく、やる気を維持することは自力で保つのは至難の業です。初めて塾に通う時はモチベーションの維持を期待していて、それで成績も上がってくれれば尚よいと教室のドアをたたいてくれる親御さんも少なくありません。
しかし時間が経つにつれ知らず知らずのうちに「成績は上がって当然」になってしまい、対費用効果に目線が移り始めます。「もっといい環境があるかも」と考えるのが人間ですものね。
塾業界各社は生徒の囲い込みの為、「お試し授業」の企画をたくさん用意してくれています。
通える範囲にある塾は総じて体験してみて、指導の方針や評判もそうですが、雰囲気や環境といったところも含めて検討する条件に入れる必要があります。