こんにちは、トカチです。
10年ほど前に個別指導塾で教室長として3年ほど働いていたのですが、辞めてからも親戚や友人、同僚から子供の勉強についてのアドバイスを求められることがあります。
その中から今回は「個別指導塾の授業ってどんな感じ?」について紹介したいと思います。
月謝を払って通い始めたいいけど、なんかイメージと違ったわ・・・となるとお金が勿体ないですもんね。
少しでもイメージを持てると通い始めてからもスムーズに馴染んでいけると思います。よろしくお願いします。
目次
個別指導塾の授業の基本的な流れ
実際に個別指導塾に通い始めると、「授業の進め方の確認」「目標の確認」が行われます。
何をどう頑張るかを具体的に相談して、カリキュラムを決めてから授業はスタートしていきます。そちらついてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

授業時間は60分だったり90分だったり120分だったりと、塾によって様々です。
90分の授業だったとして、おおよその時間割り振りは
- 質問タイム20分
- 解決できた内容の類似問題30分
- 家庭学習をやってきた単元の発展問題30分
- 今日のおさらい10分
先生と一緒にできるようにしたことを、その場で頭に定着させる目的がありますし、「やっぱりわからない」に陥らないようにする目的があります。
自宅で授業の準備
個別指導塾では授業の最後に次回授業までにやる宿題を出します。出題範囲は基本的には復習単元です。学校や塾でやったことを頭に定着させるために「問題を解く量をこなす」ことを目的としています。
家でやることは以下の通り
- 問題を解く
- 丸付けをする
- 間違えたところや曖昧なところを解けるようにする
- 自力で解決できないことをピックアップする
ここまでは自分でやります。やること多いですよね。ただここまで家でやってもらわないと、授業時間が勿体ないんです。塾に来てから丸付けしてたら時間の無駄ですよね。

宿題の量について
宿題の量は目標や学力に合わせて調整されます。教室の責任者が科目・単元・目標との距離など様々な要素を考慮して決めています。
たまに「宿題が多すぎる」とか「学校の宿題やる時間もない」といった批判的な評判を目にすることがあります。これは「目標設定」の時点で背伸びをしすぎたからですね。
入塾当初は気合が入っていたり、生徒さんが大人の前で「いい格好」をしようと高めの目標を掲げてしまったり。そんな理由で「たくさん頑張る生徒用」の宿題量が出ています。時間がたつにつれ熱意が落ち始めると、宿題の量にゲンナリしてしまうのでしょう。

家庭での声は家族しかキャッチできません。生徒自身が先生に発信してくれるならいいのですが、それが出来ない場合ため込んでため込んで、最悪の場合「もう勉強したくない!」と爆発してしまう場合もあります。
家での様子、塾での様子は定期的に確認してあげてください。
授業序盤は質問タイム
上の例では質問タイムを20分としましたが、宿題で解決できなかった問題が多ければ時間もたくさん割きますし、全部自分でできていれば難しい問題にたくさんチャレンジしていく授業となります。
✔質問すると何を教えてくれるの?
先生は解き方を伝授するというよりは、「どこを見れば解き方が載っているか」「どの解き方を使うか」を指導することが多いです。
「先生に聞かないとわからない」状態から「テキストを見ながらなら解ける」状態にランクアップさせます。すると、すこし時間が経ってから復習した時に、解き方を調べ直すことができるので、塾に持ってこなくても自分で解決できるようになっている、というのを目指します。
一見生徒から見ると、先生の手抜き?と捉えられてしまう指導方法ですが、自分で手を動かさなければ頭には残りません。でも手の動かし方がわからなかったのだから、手の動かし方を指導した、というのが塾側の狙いですね。
質問する際に気をつけたいのは、「1から10まで何もわかりませんでした」というような「最初からあきらめている質問」は無駄だということです。質問を受けるのは主に数学と理科の問題ですが、苦手意識などを理由に問題文すら読まずに質問に持ってくる生徒がいます。

授業中盤は定着タイム
質問タイムを終え、類似問題を解く時間です。特に「解けなかった」問題の類似問題は念入りに取り組みます。ここで自力で解けなければ質問タイムへ戻ります。
先生に悪いからと、「わかったフリ」をしてしまう生徒もいるのですが、定着タイムで大体ばれるのでそのまま放っておくことはありません。この定着タイムでどれだけ問題に取り組めたかで、この単元が得意分野になるかが決まります。
授業終盤は復習タイム
授業の終わりには、「今日の成果」を改めて確認します。塾目線でいうところの「生徒の満足度」を高める狙いがある一方、復習問題を宿題として出すことが多いので、解き方が載っている場所も含めて再確認を実施します。
授業ではわかったのに、家に帰ったらできなくなってしまったというのもよくある話で、そういうところは苦手単元として何度も繰り返し取り組みます。

授業後はコミュニケーションタイム
個別指導塾では学生アルバイトの先生が多く勤務しています。生徒とは年齢が近いので、勉強以外のことをお話しする機会が結構多いです。
また学生アルバイトの先生は、近所の学校に通っていた=生徒の先輩というパターンが非常に多く、担任の先生が一緒だったりすることもあります。この時間を楽しみにしている生徒も多いです。

家に帰ったら次の授業の準備
家に帰ってからは次の通塾日までに出された課題を終わらせます。

個別指導塾の授業は家庭学習が大前提
さて、個別指導塾の授業の流れをご紹介しましたが、最初の「家での家庭学習」がないと授業が成立しないことがお分かりいただけたかと思います。
集団指導塾では専任の先生が授業を展開するので、「受け身」授業になりがちですが、個別指導塾はそうではありません。自分で「わからない事」をピックアップして質問しなければ授業になりません。集団指導塾と個別指導塾の違いをまとめた記事があります、気になる方は参考にしてみてください。

家庭学習をやらずに授業に行くと・・・?
怒られるかどうかは、その教室の先生によります!
ただ、基本的な指導方法としては、「なぜできなかった?」「できるようにするためには、今後どうすればいい?」といったところをお話しするのが基本です。
生徒によっておかれている状況は様々ですからね。部活が忙しすぎる、保護者の帰宅が遅く家のことをたくさんやらなければならない、そういった事情を抱えている生徒は少なくありません。

そしてその日は授業を受けずに帰ってもらって、振り替え授業をとるといった対応もあるでしょう。家で学習ができなかった時、塾での授業はほぼ価値がありません。

家庭学習をやればやるほど授業を有効活用できる
個別指導塾のいいところは、家で勉強すればするほど有効活用できるというところがあります。
「家で取り組んだ問題は全部解けました!」であれば教室でさらに取り組むことができますし、解けなかった問題を解決した量が多ければ多いほど、テストや成績に反映されていきます。
「教えて教えて」が過剰になってしまうと授業時間のバランスが崩れるので注意が必要ですが、それでも生徒の学力・実力に沿って適切な対応をとっていけるのが個別指導塾です。
個別指導塾の学習ペースについていけるか不安な場合
ほぼすべての個別指導塾では体験授業を受け付けています。
個別指導塾の指導方針に魅力を感じていても、教室の雰囲気や家からの距離、通いやすさなど気にかけるべきポイントはあります。体験授業を無料で2~3回受けてみると、通塾するイメージや雰囲気もつかめると思います。
いくつかの塾を見に行くときにも、1つの基準にもなります。「今はまだ塾はいいわ」と考えていても、受験前などに慌てて決めるよりは事前に「合う塾」の目星をつけておくことをオススメします。
こちらの記事では塾に行き始めるタイミングについて紹介しています。
