塾のバイトで身につくスキルは、将来必ず社会で役立ちます

こんにちは、トカチです。

正社員、アルバイト問わず塾講師の経験はメリットが沢山あります。

今回は塾講師を経験することで身につくスキルと、将来に役立つ経験について紹介したいと思います。




塾講師を経験して身につくスキル

講師のメイン業務は学習指導です。予習や復習で自分の学力を日々更新しながら指導にあたっていきます。中途半端な知識だと指導中に墓穴を掘ります(体験談) 就職してからはまず勉強勉強でした。

勉強を教える「指導力」を磨く

勉強を教えるようになり、自分の知識や経験を子供たちに伝えていくわけですが、これが中々一筋縄ではいきません。

  • 自分ではわかっているけど、どう伝えたらいいのかわからない。
  • 何度説明しても理解してくれない。
  • 本当にわかってくれているのか不安

指導を始めて最初の頃はこんな悩みを抱える先生も少なくありません。

先輩の先生や教室長と一緒に、教え方、伝え方、やる気の上げ方を鍛えていくのが塾講師のもう一つの仕事でもあります。

学習指導で身につく「指導力・説明力」とは

小中学生が塾に通う理由は様々です。

  • 分数の足し算ができない
  • 定期テストの成績が下がってしまった
  • やる気はないけど親に強引に連れてこられた などなど

学力やモチベーションは一人一人違います。

適切な学習指導を行うのはもちろんですが、やる気や満足度にも注意を傾けておく必要があります。保護者の中には「成績も大事だけど、やる気を出して楽しく勉強してほしい」と仰る方もいます。

塾講師は「ただ教えればいい」ではなく、満足感を与える「指導力・説明力」を鍛えていかなければなりません。生徒の満足感は「内容を理解した・問題ができるようになった」など、自分の成長を感じさせることで与えることができます。

個別指導塾では生徒に寄り添った指導が求められる

個別指導塾では、生徒一人一人に合わせた指導を行います。一斉指導とは違い、学力・目標に合わせて適切な指導をするカリキュラムを組んでいるからです。

その仕組みのもとで効果的に指導するには、生徒に寄り添うスタンスが非常に大切です。

生徒のことを考えず指導をしていても生徒には響きません。子供は敏感なもので、先生の自己満足だなとすぐに気づきますし、不満を持ったら拭い去るのは至難の業です。

あくまでも「主役は生徒だ」ということを念頭に置いて、指導を行わなければなりません。

「説明力」は仕事で役立ちます

人に物事を教える時は「相手の立場に立って」説明することが重要です。

社会に出ると、人にものごとを伝える場面が多くなります。後輩ができたら仕事を教えなければなりません。業務の一環では企画の提案、営業先へのプレゼンなど自分の知識や考えを説明する場面も増えます。

指導力・説明力が身についていない社会人の受難

会社に勤めると「話し方」について勉強することが多いです。「社会人のプレゼン」をテーマにした書籍は数え切れないほど存在しており、その重要性と苦労する人が多いことがうかがえます。

しかしいくら本を読み漁っても、実際に話す場面に立つと思うように話せません。説明することに慣れていないからです。特に人前で話すのが苦手な人にとっては、「話そうと思ったことの半分も伝えられなかった」なんてことはよく聞く話です。

「相手の目を見て、反応を見て」なんて言うのは簡単ですが、いざ現場に立つとそんなノウハウは頭から消え去ってしまいます。頭真っ白、顔面蒼白な人のプレゼンを見て、「よし、やってみようか!」とはなりませんよね。

指導力・説明力は実践しないと身につきません

人前で話すことが苦手なのは、自分の知識に自信がないからではなく、人に伝える技術に自信がないことに原因があります

塾講師の仕事は、自分が学んできた内容を伝えるだけですし、相手は子供ですので「聞く姿勢」はあります。(一部反抗期の子もいますが・・・)

勉強を教えることも立派なプレゼンです。しかも相手は知識が乏しいので、よりかみ砕いて相手の立場にあった言葉を使わなければなりません。

さらには生徒の目・反応を見て、もう一度同じ説明をした方がいいのか、言葉を変えたほうがいいのかなど、色々なことを考えながら話す必要もあります。

「人に伝える」仕事を子供相手に訓練できる塾講師は、社会人になる前のトレーニング環境と言えるかもしれません。

塾講師を経験で、相手の気持ちを考える癖がついていた

僕は個別指導塾に正社員として就職し、2年間教室長を経験しました。

生徒への指導はもちろんですが、保護者の方へ塾のシステムを説明したり、進路指導を行ったりと、多くの業務が「人に伝えること」でした。

教育意識の高い保護者の方はそれほど大変ではないのですが、勉強にあまり関心のない保護者の方が相手だと、言葉のチョイスがとても大事でした。納得してもらえなかったら入塾してくれませんからね。

生徒相手でも保護者相手でも常に意識していたことは

相手が何を求めていて、何を知っていて、何がわからないのかを捉えながら話す

これは生徒に対しても同じで、どうなりたい、何がわからないを常に意識しながら授業をすると、満足感や信用を得ることができました。

塾講師経験で培った説明力が役立った瞬間

説明する力がついたことを、日常生活で実感する機会はあまりありません。緊張感や緊急性が高い場面にこそ実感できるものです。

私の経験の中で、説明する力を実感できた場面を紹介します。

就職面接で活きた説明力

僕が最初に「塾講師の経験が活きた」と思ったのは、転職先の就職面接でした。

学習指導とは全く違う業界でしたので、企業調査こそしましたが専門知識はまったくありませんでした。面接でも「なんでこの業界に?」って感じでした。

結果的には無事面接に受かり就職したのですが、後日歓迎会で面接官だった人に言われたのは

「考えていることが明白だったし、質問の意図を理解して的確に返答していたのが好印象だった」
でした。塾講師時代に意識していたことが、そのまま活きたと感じた瞬間でした。

元々僕は「言い訳しがち」な性格で、なんとか誤魔化そうと余計なことをたくさん話してしまう癖がありました。今となっては、言い訳癖も徐々に緩和されている気がします。

自分に自信がついたのもあるかもしれませんが、「相手が聞きたいこと」を意識するようになったのが大きいのかなと思います。余計な事までダラダラ話されると、聞いている方も「(なげぇなおい)」ってなりますよね。

後輩指導に活きる指導力

僕が今努めている会社は、仕事内容が非常に雑多です。

そのせいで全ての業務を指導し終えるまでに、非常に時間がかかっていました。1年を通さないと発生しない事案が多いことも原因の一つでした。

しかし、業務全般を見直していくと、そんなに時間をかけなくても段階的に指導できるのではと会社に掛け合いました。マニュアルを作ったりポイントを纏めたりと、後輩育成への準備を任され、実際の指導も基本的に僕が担当しました。今では半年に収まるぐらいにはなりました。

設立してかなりの年数がたっている会社ではあったのですが、昔ながらの伝統に沿った育成を重視していたせいで、非効率な育成を続けてしまっていたんです。重大な問題とは言いませんが、費やされる労力を他のことに使えるようになればと思っての発案でした。

いまでもマニュアルの「わかりにくいこと、覚えにくいこと」を定期的に更新しています。学ぶ側の意見や感想を元に作っていくこともまた、塾時代の経験に基づくものです。

指導力・説明力は社会では必須スキルです

コンクルーズ(主題を改めて主張)

塾講師の経験で培った「指導力・説明力」そして「相手の立場にたった考え方」は、社会に出てから大いに役立ちます。

学習指導は生徒一人ひとりに対して行う、言うなれば小さなプレゼンです。

しかしこの小さなプレゼンを数多く経験し、自分の指導力・説明力を磨くことは、社会で活躍する人間になるための大事なステップだと思います。

話し上手になってバリバリの営業マンを目指せとは言いません。僕も営業は嫌いです。しかし社会人として「伝える力」を早くから磨いている人は、周りから2歩も3歩も前を進むことができるようになります。

自分の考えを社会に伝えることの魅力

指導力・説明力は「伝えるための言葉を選ぶ力」です。語彙力ですね。

ここまで語彙力という言葉はあえて使いませんでした。語彙力という言葉は「難しい言葉を使う」という印象があって、ズレていると思ったからです。

塾講師を経験することで、子供たちにわかりやすく伝える力を鍛えつつ、相手が理解しているかを洞察する力も身に付けたい、社会人に通用する語彙力を鍛えるのはその先の話です。

外国語の勉強もそうですが、学んでも使わないと自分に定着しません。難しい言葉を覚えて語彙力を増やすのは、社会に出て自分の仕事のジャンルで特化していくほうが効率的ですからね。

伝える力が会社に与える印象

伝える力が身についていると、発信する場を与えられる機会が増えます。

普通一般社員は企画や提案を行う時、まず直属の上司と相談して、その上司がさらに上の役員にお伺いを立てるというのが通例です。しかし話し方が上手な社員や、企画資料(パワーポイントなど)の作成が得意な人は、直々に社長室に乗り込むことを許されることがあります。

もちろん直属の上司のOKをもらった企画に限りますが、それでも自分で決裁をもらいにいく機会を一般社員の身で経験できるのは、非常に貴重な経験になります。

1000万つかって5000万の利益を生む企画などは、「僕に会社の1000万ください、5000万にして返します」ということですから、なかなかの緊張感です。もちろん自信があるから話を持っていくのですが、そこで「えっと・・・あの・・・」なんてやっていたら即サヨナラです。

そういったチャンスを獲得する、活かす、経験するという長い人生の糧になる要素は、黙っていても手元には転がってきません。

努力する習慣や、学ぼうという姿勢があってこその結果であると僕は強く思います。やってない人にはチャンスは来ません。運よく転がってきても、とても残念な形(重大な失態とか)で失う未来しかないと思います。

説明力のある社会人になるために塾講師を経験せよ!

ここまで「指導力・説明力」を鍛えることの大切さをお話ししてきました。

学生時代から人前で話す経験を積むことは、就職してからの自分に非常に有利に働くことが分かったかと思います。

塾講師という仕事もその一つで、話すことが苦手な人ほどオススメかもしれません。

まずは生徒1人に「理解してもらう」喜びを感じてみてください。

その喜びは将来、自分の仕事を充実させる大切なスキルとして必ず役に立ちます。