「最近子供のテストの点数が悪くなってきている・・・?」
子供の成績の「小さな変化」に違和感を覚えたことはありませんか?

実はソレ、見逃してはいけない大切なサインです。
「気のせいかな」「次の様子を見て考えよう」と見過ごしてしまった結果、あとで大変な思いをするかもしれません。
そこで今回は「子供の勉強に異変を感じたときの対処法」について紹介します。
塾業界にいたときに実際に相談された内容も紹介します。
学校の授業についていけないと疑った方がいいタイミング
「学校の勉強はどう?」
「うーん、ふつう」
一見ありきたりな日常会話の一部分のようです。
しかしこの会話の裏側にある「現実」によっては、すぐにでも対処しないと後々苦労することになります。
「ふつう(に、楽しくやってるしテストも高得点だよ)」
なのかそれとも
「ふつう(って言っておかないと最近のヤバい状況がバレてしまう)」
なのか。
子供の気分もあるでしょうし、全然違う悩みを抱えているかもしれません。
ですが以下のような状況になっていたら、学習面で悩んでいる可能性が高いので注意が必要です。
通知表を見せなくなった、見せることを渋るようになった
夏休み前や冬休み前、あるいは前期が終わったタイミングで必ず配られる通知表。
休み明けに親の印鑑を押して学校に戻すものですが、親に見せずに勝手にハンコを押して学校に戻してしまっているケースをよく耳にします。
要因としては
- 成績が下がってしまった
- 通信欄(先生からの一言)に素行について書かれている
- 単純に出し忘れてて親にも言われず慌ててハンコおして出した
3番目は親の責任もありますので責められませんね(笑)
1番目の成績が下がってしまって怒られたくない、バレたくないといった理由で通知表を出さないケース。
僕も高校時代やってました。
ただただ怒られるのを先延ばしにしたかった、その心理からです。
世界史で赤点(30点以下)を取ってしまい、追試を受け、ぎりぎり合格点を取った苦い思い出です。
(最後まで親にはバレませんでした)
受験の時は世界史を選択しませんでしたので、大事には至りませんでした。
ですが、受験する大学によっては世界史が必須のところもあり、受験前に苦労する可能性が十分にありました。
小学校・中学校の勉強は、主要科目すべてが将来にかかわります。
つまずき始めていることにいち早く気づいてあげるためにも、通知表・テストの結果のチェックは日ごろからしてあげるようにしましょう。
夏休み・冬休み・春休みの前には必ず何かしらの成績表が発行されているはずです。
「休み前に浮かれている子供のテンションを下げるのは悪い」と思ってしいまいがちですが、ここは親の務めとして「成績表カモン」と笑顔を見せましょう。
受験前になって慌てて対策しようとしても、取り戻すことは簡単ではありません。
単元テストで80点を下回るようになった(小学生の場合)
小学校では各科目で1つの単元が終わるごとに、単元テストを実施しています。
単元にもよりますが、少なくとも1か月に1回は実施されるペースです。
算数は各学年20単元ほどありますので、実質月に2回はある計算になります。
この単元テスト、実は平均点が80点になるように作られています。
教科書の制作会社が作っているテストですので、教科書の内容がほぼそのまま出ているテストです。
よほど授業内容に落ち度がない限り、テストに出てくる問題は授業で扱っている内容です。
授業で単元が終了してすぐに実施するテストです。
ここ2~3週間で勉強した内容の確認テストということになります。
そのテストで80点を下回るようですと、授業内容についていけてない、授業を聞いていない可能性が非常に高いということになります。
また小学校で学習する内容は、そのまま中学校の勉強の下地となるため、抜けている部分が多くなればなるほど中学校に上がってから苦労する場面が増えてしまいます。
小学校の学習内容は、細かく単元が分かれています。
先ほども言った通り2~3週間で1単元のペースです。
つまずいてもすぐに対策すれば、2~3週で取り戻せるということです。
対策の方法はあとで詳しく紹介しますが、「教科書を一緒に読み直す」「ドリルを買って練習量を増やす」などがあります。
科目や子供の性格に合わせて相談して決めましょう。
平均点を下回るようになった(中学生の場合)
中学校では小学校に比べてテストの頻度は下がります。
単元に合わせてではなく、時期が来たらそこまで学習した内容のテストを実施します。
中間テスト・期末テスト・定期テストなど呼び方は様々です。
テスト範囲が発表され、その範囲の総合問題テストという形で実施されます。
定期テストの回数が多く、1回の出題範囲が広くない学校もあれば、各学期に1回しかなく毎回膨大な量のテスト勉強をする必要がある学校もあります。
さて、そんな中学校の定期テストですが、おおよそ平均点は60点前後になる場合が多いです。
※中学1年生の最初のテストは、範囲が狭い上、比較的やさしい単元が多い為平均点は高くなります※
平均が60点ですので、90点を超える生徒もいれば20点の生徒もいます。
得意不得意もあるでしょうけども、平均点を下回ることが続くようだと状況はまずいです。
原因としては、日ごろの学習量の不足・授業での集中力の欠落などがあります。
テストの点数を見てビックリしないためにできることは
- 学校で出されている課題(宿題)への取り組み
- ノートの取り具合
- 今、なんの勉強をしているか答えられるか
親が無関心だと子供はどんどん甘えてしまいます。
授業についていけなくなる理由
テストの点数が下がってしまう原因としては、授業についていけていないことが大きく影響していることが多いです。
ひとくちに「授業についていけていない」といっても状況はいろいろです。例えば
- 習ったことをテストで聞かれると答えられない
- 先生が何を言っているかわからない
- そもそも先生の話を聞いていない
復習やテスト前に問題を解く「練習量」を増やせば改善される場合がほとんどだからです。
ただ、部活が忙しかったり家でほとんど勉強する習慣がないなど、自力で改善に向かおうとするパワーが無いと状況は変わりません。
2番目3番目の「既に授業の内容がチンプンカンプン」だったり、「先生の話を聞いてもわからないと諦めている」といった場合、受験を控えた時期に慌てても、取り返すことができなくなる可能性が高くなってしまいます。
授業内容が理解できなくなるのは、数学・英語に見られる傾向が強いです。
理由としては数学・英語ともに
極端な話、小学校1年生で習う「足し算」を理解していなければ、その後習う単元は全くといっていいほど理解できないはずです。
今の例はちょっと極端すぎましたが、僕が務めていた塾に来た生徒の多くが悩んでいた単元があります。
それは「文章題」「図形」の単元。
- 文字は読めるけど、何を聞かれているかわからない。
- 合同条件は覚えたけど、どう使うかわからない。
これについても、「練習量を増やせば」と言ってしまえば話は早いです。
しかし理解するのに時間がかかる単元になればなるほど、苦手意識が邪魔をして手を付けることを避けてしまい、ズルズルとできない状態で時間が過ぎてしまって、最後は受験前に泣きながら練習する羽目になる、という負のスパイラルが待ち受けています。
どうすればいいのか。
つまずきに気が付いてから取れる対策
「わが子の成績が下がってきている」
「普段から勉強している様子がない」
こういった相談はこれから塾に入ろうとしている生徒の親からも、すでに塾に通っている生徒の親からも多く受けます。
「だから言ったじゃないですか!もう手遅れですよ!」と突っぱねてしまえば終わりですが、何とかしたいと思う親御さんにとっては、子供の将来のためにできることを知りたいという切なる思いがあります。
僕が務めていた塾は「家庭学習の時間をとりましょう」という理念のもと、生徒ひとりひとりに学習プランを提供し、それに基づいて家庭学習・授業を組み立てていました。
今回はその中から、今日からできる対策をいくつか紹介したいと思います。
親が見る、教材を買う
1つ目は親が子供の勉強に介入することです。
学校の課題を毎日確認し、出来上がりをチェック。
理解が足りてない部分は補足してあげながら、書店で補助教材を購入して学習量を確保してあげることです。
ただ教材を買ってあげて、「やりなさい」では意味がありません。
わからないところは明確になるでしょうが、自分で解決することができなければ、そのまま放置になってしまいます。
そこで自力で解決することができる場合もあります。
その時は安心するでしょう。「やればできる子だ」と。
しかし、学習量を提供されないとやらない状況だと、またつまずいて自分では改善しようとしないため、またいつのまにかできない単元が増えていて慌てることになってしまいます。
一番いいのは、勉強する方法と目標を定期的に話し合うことです。
話し合った後は書店で一緒に教材を選んであげて、成果を見守ってあげてください。
結果がよくならなくても、また一緒に対策を考え、必要であれば前の学年の教材からやり直してあげて、積み重ねのやり直しをしてあげましょう。
時間も労力もかかります。
日ごろの親子の関係性によっては反発を招き、逆に「勉強しない理由は親にある」と思われてしまう場合があります。
目的・目標を共有していく時間も大切にすることが非常に大切です。
家庭教師をつける・塾に通う
勉強の状況がまずいことになっているのはわかっている。
しかし、常に面倒を見てあげることができない、そういう家庭が増えて生きています。
両親ともに働きに出て、家のことで精いっぱい。
とてもじゃないけど勉強を教えてあげる時間は取ることができない場合、塾や家庭教師など外部に勉強の世話を頼む必要があります。
学習指導を行う業態はさまざまあります。
塾であれば、一斉指導型や個別指導、英語に特化したスクールなんかもあります。
つまずきを感じて悩んでいる場合は、個別指導型がオススメです。
生徒ひとりひとりの状況に合わせた学習プランを提供してくれるのが強みです。
中学生だけど小学校の内容に戻ってやり直す、なんてことも対応してくれます。
与えられた勉強をこなすことに抵抗がないのであれば、自分で机に向かう習慣が徐々についてきます。
勉強が嫌いであっても、「友達もやってるから」「塾の先生に言われたから」という理由で、勉強時間を取ることができるようになるので、少しずつでも成果が見えてくるようになります。
塾に通わせても、結局学校の授業と同じ感覚で家ではやらない子も少なからずいます。
そういう場合は家庭教師にお願いする方がいいです。
- より深く子供の状況に合わせた指導をしてくれる
- わからないところを集中的に教えてくれるため、子供の満足度が高い
先生の合う合わないの不安もあったそうですが、何度か体験授業を経て先生を決められますし、異性の先生はちょっと・・・などという希望にも応えてくれます。
また今どきは「オンライン授業をしてくれる家庭教師」なんていうのもあります。
- 自分が住んでいる地域にいない先生の授業が受けられる
- しかもリアルタイムに質問できる
- 家に人が来るのはちょっと・・・という家庭でもプロの授業が家で受けられる
僕が学生だった頃は家庭教師=地域の大学生というイメージが強かっただけに、すごい時代になったと思います。
塾・家庭教師とも共通して言えることですが、
いざ始めてみたけど、なんか違うと簡単にやめてしまっては、教材費・入会金などの諸経費がすべて無駄になってしまいます。
体験授業や短期講習は無料だったり比較的安価で受講できます。
まずはそれらを活用して見てから、合っているか、続きそうかなどを相談してみるといいでしょう。
親が張るべきアンテナ
最後に、「どうやって勉強に困っていることに気づいてあげるか」のアンテナの張りかたについてです。
一言で言ってしまえば、「コミュニケーション」を取る です。
勉強に嫌気がさしている子供の行動としては
- 勉強の話をしたがらない
- 通知表を隠そうとする
- テストを見せなくなった
下がってしまった通知表やテストを見て慌ててしまうのではなく、日ごろから勉強について話をする習慣をつけておくことが大切です。
それは別に、下がってしまって塾や家庭教師を始めてからでも全然遅くありません。
むしろ対策を始めてからは成果が出てくるでしょうし、それにたいして褒めてあげたりご褒美をあげたりするなど、リアクションは取りやすい物です。
今まで何も言わなかったのに急に言うのもなぁ・・・なんてことは考えず、素直に子供の成長を一緒に喜んであげましょう。
塾で生徒面談をしてても、結構「親は特に何もいってこない」という生徒が多いんです。
面談後は親に電話して「もっと褒めてあげて!(そして僕に感謝してよぉ!)」なんてよく言ったものです(笑)
脱線してしまいましたが、アンテナの張っても何に気を付けてあげればいいのかわからないことの方が多いと思うので、とにかく子供と会話をして状況を探ってください。
勉強の話ばかりだと「うざったい」と思われてしまうので、学校行事・部活・友達・学校の先生の話など、広く聞いてあげる中でちょっと勉強のことも聞くを混ぜていってください。
子供の成長を感じたら褒めまくる!
最後に、勉強を見てあげていく中で、少しでも子供の成長を感じたら
褒めまくってください!
もう、わざとらしいぐらいに!
そして誤魔化している、さぼっていると察知したら
めっちゃ怒ってください!
もう、鬼のように!
そして心を入れ替えたら
また褒めてあげてください。
優しく。