痴漢冤罪にあって退職した同僚の話。当事者が語る冤罪対策とは

こんにちは、トカチです。

先日、会社の元同僚(Fさん)の結婚式に行ってきました。新郎新婦おたがいに5~6人の友人を招待しただけの小さな結婚式でしたが、穏やかな雰囲気でとてもいい式でした。

ただ、普通の結婚式と違い、両家ともご両親が招待されていません。

Fさんが過去におこした事件を理由に、新婦の両親から結婚を認めてもらえず、両家共に親は呼ばない形をとったからです。

その事件こそ「痴漢冤罪」でした。今回はFさんが巻き込まれた痴漢冤罪の胸糞悪くなるような話と、痴漢冤罪を未然に防ぐためにできることとは何なのか、紹介していきます。




同僚が巻き込まれた痴漢冤罪

Fさんは今回結婚した奥様とは5年以上同棲生活を続けていて、結婚式を挙げるタイミングで籍を入れようと決めていた、まさにゴール目前状態でした。

事件は本当に突然で、僕も当時の事をよく覚えています。

痴漢冤罪によって社会から切り離されたFさん

いつも通り出社すると「Fさんが警察にいる」という噂で会社がザワついていました。火の無いところに煙は立ちませんから、警察沙汰の何かが起こったのは事実だろうとは思いました。結局その日はFさんは仕事を欠勤、翌日、翌々日と続けて休みました。

3日間の欠勤を経てFさんは出社しましたが、翌週に自主退職しました。「一身上の都合によるもの」ということで受理されたそうです。

後日、仲間内だけの送別会で何があったのかを聞かせてもらい、あまりにも不条理な現実にただただ唖然としまました。

警察に連れていかれた理由は「痴漢」

事件の概要を紹介しますが、Fさんから聞いた話なので全ての情報ではありません。(女性側の言い分の中には抜けている点もあるかと思います)

Fさんはホームで電車を待つ列に並んでいた。Fさんは最後尾にいた。

列の後方で学生数名がじゃれあっていてFさんにぶつかった。

そのはずみにFさんが前の女性の方によろめいたが、ぶつかるギリギリで踏みとどまった。

女性が連れの男性に「Fさんに尻を触られた」と主張。

男性がFさんに「駅員室へ」と促し警察沙汰となる。

2日間の取り調べの末、釈放

2日間ほぼずっと警察にて取り調べを受けていたそうで、状況を何度も説明したそうです。

Fさんとしては押された衝撃で女性に急激に近接したことは事実ですが、女性には当たっていないし、触れた感覚すらないと。警察側もその言い分を聞き入れてくれてはいたようです。

しかし「触られた」という女性がいる以上、Fさんは最も疑われている容疑者であることも事実でした。

結局Fさんが求められたのは「触っていない証拠」でした。

Fさんは「自分に否がある認識はないが、事実がそうなのであれば認めざるを得ない」と考え、女性の証言通りの罪を認め釈放されました。迷惑防止条例違反で罰金刑だったそうです。

そして翌週会社を辞め、結婚予定だった彼女(現嫁)の実家へ謝罪の挨拶へ向かいました。(詳細は聞きませんでした)

痴漢と間違われた時の対処法

「誰も悪いことはしていない、だけど事件が起こった」というのが非常に怖いなと思いました。

反対にどれだけ注意を払って生活していても、目をつけられれば簡単に痴漢に仕立て上げられてしまう、そんな事例すら過去には存在しています。

痴漢と間違われて騒ぎになったらやることは3つ

  • 真摯に対応すること
  • 逃げないこと
  • 痴漢をしていないのに、「状況証拠」で起訴される可能性を覚悟する事

✓まずは真摯に対応すること。

「やっていないことの主張」は自分のターンがきた時に精一杯すること、相手の主張をかき消すように反論するのは、本当にやっていた人間に多い行動だそうです。

✓そして逃げない事。

「痴漢と間違われて怖くなって」線路上を走って逃げる姿をとらえた映像を見たことがあると思います。日本の法律では「逃亡」は悪手中の悪手です。

やっていないのに逃げるのは「やったことを裏付ける」根拠にされてしまいます。裁判での証拠にはなりませんが、「だれがどう見ても!」的な主張の材料にされます。

✓起訴される、有罪になる可能性が高い事を覚悟すること。

マジかよ・・・と思われるかもしれませんが、この状況に陥った時点で自分の負けなんだなと思ったとFさんは言っていました。よほど法的な知識や経験があれば、何らかの手立てはあったかもしれないですが、素人にはまず無理な状況だそうです。

痴漢と疑われた際にやれる、最初で最後の抵抗

もし、この人痴漢です、といわれたら。私は次の方法をおすすめします。

両手を上げて、「私はいまから何も触らない! DNA検査をやってくれ!」と叫ぶ。

出典

行列のできる法律相談所などでおなじみの北村弁護士のお話です。

痴漢を疑われた時に、「触っていない証拠」を出す唯一の方法です。

DNA検査は「繊維の検査」ということです。手に「相手の衣服の繊維が付着していない」ことを証明するのです。

時間が経ってしまえば効果は薄れます。どこかで手を洗ったんだろ!と言われればそれまでですからね。なので疑いの目を向けられたら両手の検査を!と叫ぶ、です。

あとから取調室で検査を要求しても、「意味ないから」と検査すらしてもらえない事もあるそうです。

まだ周りに一般の人もいる「現場での要求」こそ、最初で最後の抵抗術と言えるようです。

痴漢冤罪に巻き込まれないために

Fさんの言葉を借りれば痴漢冤罪は「交通事故と同じ」。

自転車を運転していて人が飛び出してきてぶつかってしまった。どんなに歩行者が悪くても、「状況」は運転者に否があることになる。安全対策を怠ったドライバーが悪いとなるのが法律です。

あれを避けるのなんて無理ゲーだろと訴えても意味はありません。避けられるスピードで走行していれば、人が急に出てくることも考慮していれば、という論拠によりドライバーに否があったとされることがほとんどです。

痴漢冤罪は交通事故と同じ

Fさんは交通事故にあったのと同じ気分だったと言っていました。

どう見ても相手が悪いのに、ぶつけたのは自分だから自分が悪い。その経験がそのまま脳裏によみがえってきたと笑いながら言っていました。

笑えないよ・・・

さらにFさんに追い打ちをかけたのが、出勤する同僚に目撃されてあっという間に噂が広まってしまった事です。

電車通勤ではない僕は出社してすぐに噂話として耳にしました。最初は前の日の夜の話かとおもいましたが、ついさっき出勤途中で起こった事と聞いて、噂話こえぇと本当に思いました。

結局その話は会社上層へも知られることとなり、わずか10日ほどで会社を辞めざるを得なくなったというわけです。

交通事故よりもよっぽどエグい状況ですよね。仕事と信頼と収入がある日駅のホームで全部奪われたわけですから。

Fさんは元気です。

こんなことがあったFさんですが、今は地方移住で有名な町で暮らしています。

言葉が合っているかわかりませんが事件を前向きにとらえて、リセットボタンを押してもらったと思うようにしたと言っていました。もし何か新しい情報でFさんが無罪だったとわかっても、いまさらもう戻ることはできません。まさにすべてを奪われてリセットされてしまいました。

今の奥さんは「一緒に裁判で戦おう」と言ってくれたそうですが、違う道、新しい人生を選ぶことに同意してくれたそうです。

気が向いたら北海道に帰ってくるわと言っていました。

痴漢冤罪に巻き込まれないために日ごろできること

人の人生を簡単に奪ってしまう冤罪。

最近では懲役12年(すでに3年服役)の判決を受けた人が、実は事実無根の内容で訴えられていたことが判明した事件が世間を騒然とさせました。

冤罪の疑いが晴れても、失うものの大きさははかり知ることができません。

ちょっとしたことを気を付ける、習慣づけるだけで未然に防ぐことができます。

痴漢に間違われないための5つの方法

今回は公共の交通機関で気を付けることを紹介してきます。

異性の近くに行かない

根本的な対処法で、疑いをかけられる場所には行かないということです。

「近くはどれぐらいの距離まで?」は「手の届かない範囲」です。

手の届く範囲に異性がいなければ痴漢はできませんし、疑われることもありません。

最近では「触らない痴漢」というのも存在します。匂いをかいだり息を吹きかけたり、触らないけど身体を密着させたり。

手の届かない範囲であれば、こういった手合いも疑われることは無いと思いますが、念のためもう一歩下がった位置取りを心がけましょう。

両手が塞がっている状態にするか、両手を高い位置に置いておく

片手はつり革、もう片手にはカバン。これで痴漢はできません。

ですが、先ほども言った通りカバンを使ってイタズラをするパターンも報告されているので、両手でつり革を持つというのが最も安全だと言えそうです。

混雑する路線を避ける

痴漢の被害は混雑している車両での発生率が高い傾向にあります。

疑いをかけられるのも混雑した路線に乗っているときという事です。

可能な範囲で混雑路線を避けると、すいている電車に乗ることができ、不要なトラブルを避けることにつながります。

職場から徒歩30分圏内に住む

思い切って職場から徒歩や自転車で行ける地域に住むというのも1つです。

職場が街中とかだと厳しいかもしれませんが、徒歩30分圏であれば毎朝通うことは不可能ではありません。

僕自身、毎朝40分歩きで通勤しています。暑い夏の日も、最高気温マイナス10度の日も、元気に歩いて通勤です。おかげでご飯は美味しいですし足腰が丈夫になったと思います。


終わりに

Fさんの結婚式に出て、久しぶりに話しているうちに、明日は我が身かもしれないと少し怖くなりました。

いろいろなリスクを想定しすぎると、まともな生活が送れなくなってしまいますので、考えすぎもよくないかもしれません。

痴漢冤罪はあまりにも簡単に人の人生をひっくり返してしまう現実は、結婚や昇進など人生・仕事の経歴を重ねつつある今だからこそ気をつけたいところです。