こんにちは。文章を書くのは好きだけど、本を読むのは嫌いなトカチです。
僕の中で「読書」は
- 文系のメガネくんが下校のチャイムが鳴るまでひたすら没頭する
- 2ページ目に入るころには睡魔との戦いがはじめる
- 頑張って読んでも内容のつながりを見失って結局あきらめる
まさに苦行。
読書に対する苦手意識はいまだ拭えません。
そんな僕ですが一時期「本を読むこと」にハマったことがあります。
読書嫌いだった僕がハマるのですから、読書の習慣はないけどこれから読書を趣味にしたい人にはピッタリだと思います。
目次
読書を趣味にしたい人にオススメ「探偵ガリレオシリーズ」
僕が読書にハマったキッカケは、2013年に公開された「真夏の方程式」という映画です。
福山雅治さんが主演の映画で、探偵ガリレオシリーズ作品です。
「実に面白い」というセリフ、聞いたことありませんか?あれです(笑)
ガリレオシリーズは福山雅治さん演じる「湯川教授」が、友人の刑事から事件の捜査協力を依頼されて解決に導くというのが基本ストーリーです。短編と長編があります。
「あのガリレオシリーズが帰ってくる!」的な特集がやっていて興味をもちました。
そしてその時、なんとなく「原作の本も読んでみるか」と思ったんですね。なぜ本を読んでみようと思ったのか、今となっては覚えていません。本当になんとなくだったので、本を買った直後「どうせ読めないで終わるんだろうな」と思っていました。
といいつつ、いざ読み始めると「お、おぉ・・・読める・・・」って感じで、2~3日で読み終えることが出来ました。
本が嫌いだったのに文庫本1冊を2~3日で読み終えるのは、運動嫌いが3日連続ジョギングするのよりすごいと思います!
というわけでガリレオシリーズの作品を、あらすじと僕のひと言感想とあわせて紹介していきます。
※軽くネタバレを含みます。
オススメ本①「真夏の方程式」
✓あらすじ
夏休みの玻璃ヶ浦へ向かう電車の中で湯川と小学生の恭平が出会う。恭平の親戚が玻璃ヶ浦で旅館を営んでおり、湯川はそこへ宿泊し恭平と交流するようになる。湯川は玻璃ヶ浦で行われる海洋開発の説明会に出席する為おとずれていた。
しかし湯川が宿泊している旅館の客が変死体として発見され、警察の依頼で湯川も事件の解決のため操作に協力することになる。
少しずつ明らかになる犯人像、そして旅館に隠された記憶がよみがえり、事件は複雑に絡み合いながら真実へ突き進む。
湯川が守った「人生が捻じ曲げられる」人物とはいったい誰なのか。
一言感想(ネタバレ要素あり)
今作品で一番ぐっとくるのは、事件に関与してしまった恭平を守る湯川の姿です。
仕掛けられた罠とはいえ、事件の引き金を引いてしまったのが恭平でした。真相究明が進むにつれて湯川は恭平が罪に加担させられていたことに気づき、「1人の人間の人生が捻じ曲げられてしまう」と危惧します。
物語の最後に恭平は「自分も関わっていた」ことに感づくのですが、湯川は「俺が守る」と言わんばかりの言葉を恭平にかけるシーンで終わります。
大人の腐った人間模様に巻き込まれた少年と「見たくない真実」を解き明かした湯川の、人間ドラマという観点で読むと面白さが増します。
オススメ本② 「容疑者Xの献身」
長編シリーズ1作目となる「容疑者Xの献身」。映画化されておりストーリーのみならず、堤真一さんと松雪泰子さんの演技が話題となりました。
✓あらすじ
花岡靖子と美里はあるアパートで二人で生活していた。靖子は夫と離婚以来、逃げるように生活の場所を変えながら娘と二人で暮らしてきた。
ある日、居場所を突き止めた元夫が訪ねてくる。そして靖子と美里は喧嘩の末、元夫を殺害してしまう。
騒ぎを聞いてやってきた隣人の石神は、偽装・工作をもって事件を隠し、警察の目を欺いていく。捜査が進めば進むほど真相から離れる状況に、石神の友人だった湯川が事件の調査に乗り出すことになる。
石神はかつて天才と呼ばれ、今もなお数学者としての道を進む切れ者だった。対する湯川も物理学の知識で数々の事件を解決に導いてきた。
二人の天才が事件を間に戦う姿、石神が花岡親子を守ろうとする本当の理由、石神が犯すもう一つの罪、見どころ満載のストーリーであっという間にラストを迎えます。
一言感想(ネタバレあり)
僕がこの本を読み終えた当時は、映画化されていることを知りませんでした。後日TSUTAYAでDVDを見つけた時は即借りました。面白かったです。
物語が進むにつれ、石神の天才っぷりが崩れ始めるシーンがあります。僕としてはそこが読みどころかなと思います。
序盤は数学者らしく淡々と計画通りに事を進めています。しかし古い友人である天才湯川に追われ、思いを寄せる靖子から「もう自分を犠牲にしないで」と言われ、少しずつ「人間石神」が顔をのぞかせ弱みを見せる様になります。
献身という言葉に相応しく、最後まで精神・肉体ともに靖子の身代わりとなった石神。靖子を守るために石神が犯していたもう一つの罪。
自分の思いを表に出すのが苦手な僕としては、どこか石神の思考が自分と似ている部分を感じずにはいられませんでした。罪を犯す気持ちがわかるという意味ではないですよ!(笑)
オススメ本③ 「聖女の救済」
長編シリーズ3作目。映画化はされていませんが、連続ドラマで2週にわたって放送されました。
✓あらすじ
真柴綾音と真柴義孝夫妻は「子供ができなければ離婚」の約束のもと夫婦生活を送っていた。ある日妻の綾音は北海道の実家へ帰省した。そして帰ってくる直前、夫の義孝は毒を飲み死亡してしまう。
「離婚話が出ていたこと」「仕事づきあいのあった若山宏美が義孝との間に子供ができていたこと」など妻綾音に疑いの目が向けられる事実が次々と浮かび上がる。
しかし毒を入れる方法が綾音にはない。死亡したその日まで北海道にいたのだ。一向に進まない捜査。
警察は湯川に捜査への協力を依頼する。これまでになく難解な事件に湯川も苦戦。
湯川が最後に立てた仮説「虚数解」が意味する犯行の手口とは。救済が意味する女の執念に鳥肌必至の結末が待っている。
一言感想(ネタバレあり)
この作品は、犯人は綾音という事実がかなり早い段階でわかるにも関わらず、トリックが誰にもわからない、わかりそうにもないという展開です。最後は、物理的に可能だが現実的には不可能とされる手口でした。
簡単に説明しますと
- キッチンの水道の蛇口に毒を仕込みます。
- 普段はウォーターサーバーを使っているので、水道はほとんど使いません。
- 水道を間違って使わない様、日ごろから見張ります。
- 殺したくなったら、ウォーターサーバーの水を切らし、自分は外出します
仕組みだけ見ると無くはないという話ですが、毒を仕込んだのが1年前だというのですから驚くわけです。
1年間キッチンの水道は使わせなかったわけですね。
読者の感想からも、「現実的じゃない」とか「日常生活としてありえるのか?」といった声も見受けられるぐらいです。また自分の日常生活と照らし合わせて、「あの時は?こうなったら?」などといった疑問の声も各所で見られます。
こうして1年間妻綾音は夫義孝を「いつでも殺せるが守る(救済する)」生活を続けたわけです。
そして「外出」という行動で、義孝を何もせずに殺すことに成功しアリバイを成立させます。
僕はこの「1年間殺したい相手を救済する」という表現に鳥肌が立ちましたね。声も出ましたよ「うえぇぇ」って(笑)
オススメ本④ 「探偵ガリレオ」(短編集)
こちらは短編集です。2007年、2013年にテレビドラマで放送されたタイトルが収録されています。
僕は映画を見る予定だったので長編の「真夏の方程式」から入りました。
短編読み切りの「探偵ガリレオ」「予知夢」に入っている作品は、それぞれ展開が早く登場人物も少ないので読みやすいと思います。
ガリレオシリーズ以外にも、東野圭吾作品で完読できたものも紹介します。
その他の東野圭吾作品
プラチナデータ
映画では嵐の二宮和也さんが主役を務めています。「プラチナデータ」というセリフがあって、バラエティ番組でちょっといじられていました(笑)
やや暴力的なシーンが目立ちます。苦手な方はご注意ください。
✓あらすじ
近未来の日本。犯罪捜査のため国民の遺伝子情報をすべて国が管理する法律ができる。
事件などでは犯人のDNAを照合し解決へと結びつけることが期待された。
そんな中、開発に携わった天才プログラマーが殺される事件が発生する。犯人とされる人物のDNAは主人公の「神楽」の物と一致した。多重人格の神楽はもう一つの人格が犯行に及んだと思い逃走。
独自に殺害に関する情報を集めるうちに、「プラチナデータ」と呼ばれるデータの存在を知る。
「モーグル」と呼ばれるシステムに保管されたプラチナデータには、政治家などの特権階級の人間の遺伝子情報が保管されていた。犯罪捜査では容疑者として名前が出ないようになっていた。
それを知った神楽は、プログラマーを殺害し自分を犯罪者に仕立て上げた真犯人を追い詰めていく。
マスカレード・ホテル
2019年1月に木村拓哉さん主演の映画が公開された「マスカレード・ホテル」の原作です。関連作品にマスカレード・イブ、マスカレード・ナイトがあります。
✓あらすじ
警察に届けられた予告殺人。それを防ぐべく予告されたホテルでホテルマンとして潜入捜査を行うことになった。
ホテルマンとしての仕事をこなしながら、不審者の捜査を行う必要があり困難を極める操作となった。フロントを任された新田浩介も本物のホテルマンから指導を受けながら業務をこなしていく。
次々と現れる怪しい人物たちに振り回されつつ、予告された日が徐々に近づく。無事犯行を防ぐことができるのか。
読書を趣味にしたいならガリレオシリーズ作品がオススメ
読書が苦手な僕がガリレオシリーズは読めてしまった理由は、展開の面白さ、読みやすさと「福山雅治」にあったと思います。イメージしやすかったんでしょうね(笑)
本を読みなれていないと、文字づらだけでイメージを膨らませることは難しいんですよね。
ガリレオシリーズをひととおり読み終えた後、ためしに映像イメージのない他の作家さんの小説を読んでみました。
10ページ目ぐらいで眠気とバトルしてました。
福山雅治演じる湯川のセリフは、基本的に福山音声で再生されています(脳内で)
映像が浮かびやすいので、文字→映像の手間が少なく気楽に読めるんですね。あるいは単純に僕が福山雅治ファンなのでは。
✓まずはガリレオシリーズ短編集から
「読書を趣味にしたい!」と思うけど読める本がわからない・・・という方は是非ガリレオシリーズを試してみてください。
長編よりも短編読み切り集から始めてみると世界観などもわかるのでいいですよ!